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MA-1 TEST SAMPLE
(Pherrow's)

始めてPherrow'sのジャケットを購入したのが昨シーズン(97-98)である。Pherrow'sは以前から気になる存在ではあったのだが、なぜか手を出さなかった。しかし、このMA-1のシェルの色に一目惚れし、とうとうPherrow'sバージンを破ってしまった。

特徴はもちろんこの茶が掛かった紫のアウターシェルと鮮やかでテカテカと光る紫のライニングだ。通常MA-1といえばセージグリーンなのであるが、これはラベルにもあるように「TEST SAMPLE」のためこのような色であると思われる。実際にはじめからこのような色(紫)があったのか、紫外線や窒素によりこのように褪色したのかは分からないが、あのPherrow'sが作るのであるから、志村コレクションにこれと同じものがあるのだろう。しかし、実物があるないにかかわらず、ゲテモノ(悪口ではなく私の中ではある意味、賞賛の言葉)好きの私にとって、このディテールはソソられるものがある。

McCOY'SやBuzzと比較すると、このニット部分はかなり貧弱に感じる。誤解を招かないように付け加えるが、貧弱と言うのは作りが悪いと言うのではなく、ニット部がかなり緩く作られているということである。McCOY'Sなどのニットは、かなりシャリシャリとしており、手首やウエスト部にピタリとフィットし、風を完全に遮断するのだが、Pherrow'sは、以外と緩く、スースーする。正直言って初めは違和感があったが、不思議なもので慣れるとこれが心地よいのだ。なんとなく「上手いな」と感心してしまう。
ジッパーは、Pherrow'sオリジナルの「CONNECT」の黒を使用している。型から起こし作り上げた自信作とのことだが、これまたMcCOY'Sのコンマーと比べると弱々しく感じる。しかし、なぜかこれまた心地よい。決して高級でもなく、重厚さもないのだが、なぜか惹かれる。

重厚でしっかり感のあるシェルやジッパーで作られたMcCOY'Sは当然素晴らしいし、今後も付き合っていくだろう。作品としては文句のない作りだし。しかし、このどこか頼り無いPherrow'sのジャケットにもなぜか凄く惹かれてしまう。もちろんPherrow'sもきちんと計算し、全力を注いで作っているのだろうが、わざとフッと気を抜いて作っているのではと思う。完璧に作っては作品としては素晴らしいが、どことなく面白みがない。それをPherrow'sは知っているのだと思う。さすが、ナイロンジャケットの魁だと、このジャケットを手にして感じた。

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